「エミリー、今からあなたを呼びに行かなくちゃと思っていたところよ。実は……」
口ごもった管理人代わるように、騎士団の男が一歩前に出る。
「エミリー・メイルランド。あなたに窃盗の容疑がかけられています」
「窃盗!?」
驚くエミリーの後ろで廊下にいた別の生徒たちも騒めき始めた。
「身に覚えがありません」
「それなら、部屋の中を確認させてもらっても」
「えぇ。構いません」
潔白であるし見られて困るものは何もないと、エミリーは胸を張って答えた。
エミリーが部屋の鍵を開けると、押しのけるように騎士団員たちが先に部屋へと入っていき、横暴な様子に「何様のつもりよ」とリタが小声で毒付く。
「右側の机とクローゼットにベッドはリタのものですから勝手に触らないで。私のは左側です」
騎士団員のうちひとりがリタの机の方へと歩み寄っていったため慌ててエミリーが注意する。
すると、その騎士団員に生意気なといった顔でじろりと睨みつけられ、思わずエミリーは後ずさった。
戸口でエミリーとリタと管理人は並び立ち、机の引き出しの中を手荒に確認する様子をなんとも言えない気持ちで見つめ続けた。


