花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!


エスメラルダと会った後のディナーなのだから、王子はもしかしたらどちらが自分の花嫁に相応しいか見比べるつもりでいるのかもしれない。

それならば、気乗りしない顔でひたすら美味しく食事をいただくまでだ。

豪勢な料理がテーブルを想像しながら、「お腹空いたわ」と足早に食堂へ急ぐ。

サクサクした肉入りパンにサラダやポテトフライ、ニンジンスープとデザートには甘酸っぱい木の実を使ったアイスクリーム。

それらが乗ったトレーを手に、リタが待っている端の席へ。

食事を取りながらこそこそと身を寄せ合っては、王子にディナーに誘われた話をする。

しかし、途中でクラス代表のケビンがやって来てレポートの話をしてきたり、聖女クラスの面子がすぐ近くの席に腰掛けたこともあり、エミリーとリタは大急ぎで食事を済ませ、自室へ移動することに。

周囲に誰もいないのを確認しつつ先ほどの話の続きをしていたが、自分たちの部屋の前で騎士団員四人を相手に寮の管理人が騒いでいるのに気づき、エミリーとリタは何事かと顔を見合わせた。

「どうしましたか?」と歩み寄ると、管理人はエミリーを見てホッとしたようにも、困ったようにも見える顔をする。