花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!


そして、エミリーが大聖女に選ばれるかもと浮ついた空気があった薬師クラスの生徒たちも、徐々に試験モードへと変わっていった。

薬草学の授業を終えて、エミリーはいつも通りビゼンテ先生に引き止められ、聖女クラスへ移動の話をされる。

断ったことを言い出せないまま「お腹が空いたので昼食に」と話を切り上げて廊下に出ると、クラスメイトと立ち話をしていたリタが駆け寄ってきた。


「エスメラルダがレオン王子との会食で城に呼ばれたらしいの、聖女クラスでは花嫁候補にもなったとお祭り騒ぎらしいわ」

「そう、レオン王子との会食に」

「エミリーに断られてすぐ他の女に乗り換えるなんて、レオン王子が女ったらしだっていうのは本当にみたいね」


リタにだけは先日の呼び出された時の話を正直に話している。

両方の申し出を断ったことを呆れられてしまったが、レオン王子が女ったらしだということに関しては、そんな噂聞いたこともないけどと疑問を呈された。

しかし、いま彼女はレオン王子がエスメラルダを誘ったと聞き、やっと納得した様子だ。

エミリーとリタが寮の食堂に向かうべく並んで歩き出すと、廊下で待機していた騎士団員が少し距離を空けて追いかけてきた。