あの日、雪が降っていてよかった。【完】

「やだなぁー、やっぱり卒業式は何回経験しても泣いちゃうね、」

「はっ、ハンカチ、どうぞ…、」


式が終わって

卒業生が退場すると

それまで平然としていた先生は

緊張の糸が途切れたみたいに、私の隣で赤くなった目元を拭っていた。


「ありがとう…、使わせてもらうね、」

「は、はいっ、」

「あっ…、ほら、在校生退場始まったよ、」


これ返すの後日でもいい?と先生に言われて

私はこくり、と頷いた。