あの日、雪が降っていてよかった。【完】

『つか、神室は?』

『仁なら教室にいるよー?』

『ふーん、』


雪村さんはもう一度私の腕を掴んで

行くぞ、と私を引っ張った。


「い、行くって3年の教室にですか?」

『それ以外ある?……つーかお前、1年の教室にいたって暇だろ、』


それは

雪村さんなりの優しさなのか

それともただの気まぐれなのか。

まだ何も分からない私は、大人しく後ろをついて行くことしかできなかった。