あの日、雪が降っていてよかった。【完】

準備始めますね、と私が立ち上がろうとすると

雪村さんは、ぱっと私の手をとって

ぐいっと引っ張った。


「ゆ、雪村さん…?」

『…………もーちょっとだけ。』


雪村さんは、私を隣に座らせると

寄りかかるようにして

私の肩に頭を預けた。


「あ、あの…」

『あと5分だけだから。』


まるで小さな子どもみたいに

私を引き留める彼に、びっくりして

私はその場から動くことができなかった。