あの日、雪が降っていてよかった。【完】

『あーー、ゆきかえってきたーー、って、誰その子、』

『………うっせぇ、騒ぐな、』

『新顔だねー、何、新しい関係者?』


女の子のような可愛い顔をしたその人は

私のほうをちらっと横目で見て、そう言った。


『あー…、ペット?』

『ペット?あれ、哺乳類は飼わないんじゃなかったっけ?』

『……とりあえず名前くらい言っとけ、』


雪村さんはずぃ、と私を前に引っ張ると

ぽん、と私の肩を叩いてそう言った。