あの日、雪が降っていてよかった。【完】

圧倒的な記憶力の良さ

絶対的な音感に、それを表現する力だってある。

あんな逸材、きっと一生に一度会えるか会えないか

そのレベルだ。


『雪村が惚れるのもなんか分かるかもなー。俺もあの子と仕事してみてぇし。』

『…………お前には渡さねえ。』


母親のことを泣きながら僕に話す香月を見た時に

これから先一生、こいつを自分のそばに置いておきたいと思った。

だから僕は、あんな勢いまかせに

気持ちを伝えたんだと思う。