あの日、雪が降っていてよかった。【完】

《あれー、昨日サボってたのに来たんだー?》

《いきなりいなくなるから、ついにやめたのかと思ったのにー、》


遠巻きに、でも確実に聞こえてくる悪口に

私はなるべく反応しないように

自分の机まで歩いて、鞄を手に取った。


《てかー、無視すんなよ、》


背後に感じた人の気配に

反射的に身体が強ばって、私はぎゅっと目を閉じた。