あの日、雪が降っていてよかった。【完】

『…………あ。そーいえば、』

「………?」


忍さんは、雪村さんの部屋のドアが閉まっているのを

ちらっと横目で確認してから

そっと私の耳元に、顔を寄せた。


『……聞いたよ、ゆきから。』

「っ…、き、聞いたって、あの、」


私が言うと

忍さんはにやりと笑って

こ、く、は、く、と声を出さないまま口を動かした。