あの日、雪が降っていてよかった。【完】

「あ、あのっ、雪村さん、」

『………なに?』

「さっきはすみませ…じゃ、なくて、えっと、その…」


すみません、も

ありがとう、も

どっちも違う気がして、言葉を彷徨わせると

その間雪村さんは

じっと私の言葉を、何も言わずに待っていてくれた。


「…………嬉しかった、です。美味しいって言ってもらえて。」

『別に事実だし。』

「いつも私の意見を聞いてくれて、"天才"って言ってくれて、その、いつも、いつも、」


雪村さんから貰う言葉は

不思議と、全部嘘がないってわかる。

だからこそ嬉しくて。