あの日、雪が降っていてよかった。【完】

雪村さんはそれだけ言って

くるっと私に背を向けて歩いていってしまった。


「………はぁー…、」


このまま保健室に行ってしまおうか、と思うくらいに身体は重たかったけれど

昨日、久しぶりにちゃんとした栄養と睡眠をとったからか

いつもより体調はいいような気がした。


「とりあえず、荷物だけとらなきゃ…、」


1.2.3、と心の中でカウントして

教室のドアを開けると

空気が一瞬で凍りついたのがわかった。