あの日、雪が降っていてよかった。【完】

どんな言葉で答えたらいいんだろう。

そんな私の気持ちを

わかっているみたいに、彼はそう言って

ぽん、と私の肩を叩いた。


「あ、あの。…このことは、雪村さんには…」

『大丈夫、もちろん言わないから。』

「ありがとう、ございます。」


ぺこり、と頭を下げると

仁さんは頑張ってね、と笑ってくれて

私はその言葉に強く頷いた。