あの日、雪が降っていてよかった。【完】

「ゆっ、雪村さん…?」

『………今日だけは、泣いてもいい、』

「えっ…?」

『…僕以外、誰も見てないから。』


ぽんぽん、と軽く頭を撫でると

身体の力が抜けてくるのがわかって

僕はそれを支えながら、肩が冷たく濡れる感触を感じていた。


「…………たんです、」

『ん…?』

「男の人と、いたんです。今まで何回も、こーゆーことありました。」


ぽつりぽつり、と話す香月を

そっと椅子に座らせると

彼女の肩は、震えていた。


-雪村side end-