あの日、雪が降っていてよかった。【完】

香月は俯くと

小さく震えた声で、ぼそぼそと僕に話し始めた。


「………タイミング、間違えちゃった、みたいです。」

『タイミング?』

「"あんた誰?"って、言われちゃいました、」


馬鹿ですよね私、と言い放った彼女の表情は

張り付いたような作り笑いで。

僕は香月の腕を強引に引っ張って

自分の肩口にそっと、彼女の頭を寄せた。