あの日、雪が降っていてよかった。【完】

「はぁーい?」

「し、失礼します…、」


久しぶりに聞いた

母が機嫌のいい時に出す、甘ったるい声に

少しだけ動揺しながら

私はそっと、ドアを開けた。


「…………。」

「あ、え、えっと…、」


多分私は

この時の母の顔を一生忘れないだろう。