あの日、雪が降っていてよかった。【完】

投げつけられた紙切れを拾って見ると

そこには多分病院の場所であろう住所が

殴り書きされていた。


「すみません、これ持って帰って貰ってもいいですか…?」


私は持っていた鞄と紙切れを

雪村さんに渡して

別に全然急ぎたくもないのに、病院へと駆け出した。


『この紙、持ってかなくていいのっ…!?』

「もう覚えました!」


私は振り返らないままそう言って

雪でも降りそうな空を見上げながら走った。