あの日、雪が降っていてよかった。【完】

彼はそう呟くと

ひょい、ともう一粒チョコレートを摘んだ。


『………オレンジ?入ってる…?』

「あ、はい。って言っても、ジュースですけど…、」

『ふーん…、』


余程気に入って貰えたのか

彼はもう一粒続けてそれを食べると

残りは冷蔵庫入れといて、と私に言った。


「よかったです、お口に合ったみたいで…。」


甘さ控えめに、ビターチョコレートで作って正解だった。

私が言うと照れ隠しなのか

雪村さんは、別に、と

そっけなく目を逸らした。