あの日、雪が降っていてよかった。【完】

初めて自分のことを"必要だ"って言ってくれた人。

私のことを肯定してくれた人。

それは他の誰でもなく、雪村さんだから

彼の"大切にしているもの"を、私もずっと傍で支えたい。


『…………だってさ、ゆき。』

「えっ…?うわぁっ!ゆ、雪村さん、いつから…、」

『ふっ…、お前、気づかなすぎ。』


私の背後に立っていた雪村さんは

くくくっ、と笑いを堪えながら

私の頭に手を置いた。