あの日、雪が降っていてよかった。【完】

「……え、と。し、失礼します…、」


そっと、服の袖を掴むと

それを確認したかのように

雪村さんはゆっくり、人混みの中を歩き始めた。


「ひ、人、多いですね…、」


私もそうだけど

雪村さんも人混みは苦手なタイプかと思っていた。


『……ここ毎年そうなんだよなぁ。みんな朝来ればいいのに…。』


どうやら私の予想はあっていたらしい。