あの日、雪が降っていてよかった。【完】

「こんなに眩しい毎日が、あるなんて知らなかった。」


あの日、あの時間

屋上へ行ってよかった。

不謹慎かもしれないけれど、私は本気でそう思う。


「………雪村さん、今大丈夫ですか…?」


そっと彼の部屋を覗くと

雪村さんは、私の声も聞こえないくらいに集中していて

仁さんの言っていた"ゾーン"ってこれのことか、とすぐに分かった。


「コーヒー、ここに置いときますね。」


私は部屋に入ってすぐのところにある

サイドテーブルにコーヒーのカップを置いて

そっとドアを閉めた。