あの日、雪が降っていてよかった。【完】

「……おやすみなさい、雪村さん、」


私がその場を離れようとすると

服の裾が、何かに引っ張られたのを感じた。


『…………行かないで…、』

「ゆ、雪村さん…?」

『…………僕の…、傍にいろ…、』


雪村さんは今

どんな夢を見てるんだろう。

私は、彼の手を振りほどくことが出来ずに

その手をそっと握りしめた。