あの日、雪が降っていてよかった。【完】

「………今、手…、」


雪村さんは

たまに、無意識なのか

私の頭に手を置く。

よくやった、の意味なのか

それとも特に意味はないのか。

わからないけれど、普段誰かとスキンシップをとっているところなんて

見たこともないから

少しだけ、びっくりする。


「………ノートの続き、作ろ。」


私は、テーブルに置いておいたノートを開いて

シャーペンを手にとった。