あの日、雪が降っていてよかった。【完】

こくこく、と申し訳なさそうな顔で頷く香月は

本当に捨てられた猫みたいで

僕は無意識に、香月の頭に手を置いた。


『僕がいいって言ってんだから、そんな顔すんな、』

「は、はい…、」

『ったく…。……あ、神室配信終わった、』


僕は食べかけだったクリームパンの残りを口に放り込んで

すぐに神室に電話を掛けた。


-雪村side end-