0.無題





‘あぁぁ、、、死にてぇ、、、。’

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˹ごめん、別れよう。˼の文字、
分かってはいたけど、分からないふりをしていたかった。
たった四文字、その文字が、梨玖の心を簡潔に、的確に抉った。

˹チッ チッ チッ、、、˼
もただでさえ狭い部屋は、異様に響く時計の音と寂しさで窮屈になった。

気を紛らわせよう。左手に無気力に握られたスマホを持ち直し、電源を入れる。
待ち受けにしていた恋人の顔が映る。
憎くはない、ただ惨めだった。
結局、スマホを触る気にもなれなかっず、ベットに転がった。

‘可愛かったな、’

大好きだった。運命だと信じたかった。

寝よう。
思い出してしまう前に、何も考えなくていいように。

……

何時間くらいだっただろうか、

‘夢には、出てこなくてよかった’

カーテンを開けると、空が真ん中で青と赤に別れている。夕日が出る前にほんの少しだけ、こんな空の時間がある。

‘ 、、、’


いつもはほんの少しの時間でも、何も考えずに見つめているのにはあまりに長い時間だった。

頬には寝ていた時に流れたものがかわいている。