以前は、思いこんでいたんだけどな。


人前では、絶対に笑顔でいなきゃダメって。



友達に嫌われないように

最低限、笑顔はキープしなきゃって。





でも……



「もう……
　笑うのに……疲れました……」




私が吐き出したのは

生きる屍のような、ガラガラなかすれ声。



視線すらあげられない。




「そっかそっか。
　笑うのに疲れちゃったかぁ」



「……はい。
　……ごめんなさい」



「つぐみちゃん、なんで謝るの？」



だって……


「本に書いてありましたから……

　人と接する最低限のマナーは
　笑顔だって……」



だから私は



どんなに嫌味なことを言われても

イラッとしちゃうことがあっても

人に笑顔を振りまき続けてきた。




でも結局は、

そんな努力も無意味だったなぁ。



高校のみんなから

嫌われちゃったんだから。