「つぐみはアホ面じゃなくて、
 アタフタの天使顔でしょ?

 それにのっかった鞭光君も、
 つぐみのハラハラ顔待ちしてたのが
 バレバレだからね」




えぇぇぇぇぇぇ?




「鞭光君、教室にいる時から
 私がつぐみをイジメないか睨んで
 見張ってたんだよね?」



「気づいてたのかよ?」



「だって、鞭光君の眼圧、
 ヤンキー仲間よりも、鋭いから。

 私の顔に、穴が開かないか心配だったし」



「そんな魔王並みの異能力、俺は持ってねぇよ」



「鞭光君は、魔王ってより
 ワンちゃんだったか。ごめんごめん」



「はぁ?
 俺が犬? どこがだよ?」



「私とつぐみの大事な話が終わるまで、
 ちゃんと『待て』をしててくれたでしょ?

 つぐみのことを思って、
 従順なお犬様でいてくれたんだよね?」



「……なっ///」



「ご褒美に、骨あげよっか?」



「いらねぇし!」



「骨を噛み噛みすれば、
 鞭光君の前髪みたいに
 歯も鋭くギザギザになるよ」



「望んでねぇんだよ。そんなこと!!」