これには私も、ハッとして。



何か答えなきゃって、視線を泳がせて。



廊下に立ちつくす私たちを伺う

友達の視線にも、気がついて。



考えて、考えて。

焦って、焦って。

目もキョロキョロのオロオロで。



そうだ! 

こんな時は!



とっさの脳の思い付きで

鞭光君にデコピン返し。



思いっきり指を弾いちゃった。



テンパっていたから

力加減なんてする余裕はなくて……
 




デコピンされた、暴君王子はというと……



数秒間、真顔で固まって。


廊下の天井を見つめだし。


ブハっ!


込み上げ笑いをこぼした。