「もこちゃん、大好き」

「もっとなでなでしてー?」


ごろごろと寝返りをうちながら、そうやって甘えてくる大好きな人。


まるで犬さんがお腹を見せて、撫でてとおねだりしているみたい。



私が頭をくしゃりと撫でれば、なぜか同じだけ私の頭もくしゃりと撫でてくれる。


……お返しみたいなものなのかな


それがおもしろくって、今度は頬…おでこ…お腹…足の裏…なんて、イタズラに触ってみる。


するとわうくんは、不思議そうに目を丸くして、そして同じように、私を触った。



「ふふっ…ふっ…」

「もこちゃんどうしたの?」

「…私が触ると、同じように返してくれるから…ふっ…くすぐったいよ、わうくん」


わうくんは、くすぐったくないのかな。


「わっ…も、もこちゃんっ」


お腹をこしょこしょ。


「あはっ…あはははっ…もこちゃん、やめて」


そしてわうくんも私をこしょばしてきて、突然始まったこしょばしあいっこ。


「ふふっ…あっ、わうくん!あそこにわうくんの好きなおやつが!」

「えっどこ?!」

「えいっ」


「あっ…もこちゃんずるい!」


パタン。

よろけて後ろに倒れてしまい、

わうくんが私を床におし倒すような体勢になってしまって、ぽっと頬が熱くなる。


幸い、わうくんが手で頭をガードしてくれたおかげで、全然痛くなかった。



「…ちゅーしてもいいですか?」


わうくんの頬が少しだけ、ピンクに染まっている。


「………いい…ですよ」


ゆっくりと近づいてきた唇が、私の唇に優しく触れた。


「ふふっ…やっぱりわうくんのキスは、くすぐったいね」


キスしても息が苦しくならないくらい、優しくてくすぐったいキス。


…あっ、


――チュッ


お返ししなきゃ。


わうくんが離れていく寸前のところで、わうくんにチュッと短いキスをした。


あ、下手くそだから、ちょっと痛かったかな。

チュッよりも、ブチュ…みたいな音が鳴ったけど…わうくん嫌じゃなかったかな


あんまり自分からキスしないから、ちょっと恥ずかしい。



チラリとわうくんの顔を見ると、片手で口元を隠していて、びっくりした。


それにすごく……


「わうくん、顔すごく赤いよ」


熱でもあるのかと思うくらい、真っ赤。



「……きゅんとした」



へにゃりと照れながら笑った後、もう一度キスをされた。


今度は少しだけ長いキス。


「……っ…、ふふ、」

「…もこちゃん、キスしながら笑ってる」

「なんだか、幸せだなって思ったんです」


何度も何度も……キスをして、

そのたびに、幸せだなって思うんです。


「わうくん、だいすき」

「もっとキスして?」


初めてのおねだりは、とても甘く――



たくさんキスをして幸せな気持ちになった、

もこなのでした。