じー………
私達は今、すごくお腹が空いています。
机の上にはホカホカのカップ麺が二つ。
ぐぅーぎゅるる
私のお腹から怪獣みたいな音が鳴った。
「お…お腹すいたねぇ…」
「うん…ねぇ、もこちゃん。もう食べてい?」
「まだだよ」
きゅるんとした瞳で私を見るから、きゅんとしてしまった。
……待てをしている犬さんみたい
わうくんは床にゴロゴロと寝転がって、そしてまた起き上がった。
「……もう3分経ったかな?」
「ふふっ…まーだ」
ゴロロロ!
えっ
「カミナリ?!」
私が慌てて窓の外を見に行こうとしたとき、わうくんが大きく手をあげた。
「俺のお腹のカミナリです」
「えぇっ…わうくん、そんなにお腹空いてたの?ごめんね」
わうくんに申し訳なくなった。
今日は、私の家でお家デートをしていたんだけど、映画に夢中になってしまい、お昼ごはんを食べるのをすっかり忘れていたのだ。
「俺も映画に夢中になってたから、もこちゃんのせいじゃないよ」
ニヒッと笑う、無邪気な笑顔がかわいい。
…い、癒やされる…
「あ!もう食べてもいいかな!」
わうくんがカップ麺に手をのばす。
「だ、だめ!まだ3分たってない」
慌ててわうくんを止めようとしたら、思ったより力が入ってしまって、そのままわうくんを床に押し倒してしまった。
「…へ…」
わうくんの瞳がまんまるになってる。
「………あ…ごめん…ね?」
恥ずかしくなって起き上がろうとしたら、わうくんにぎゅっと抱きしめられてしまった。
そして赤ちゃんをあやすように頬を両手で包まれる。
「お腹すいたから」
「……もこちゃんのこと、食べてもいい?」
え………
私の唇をはむっと優しくかんで、その後イタズラにふわりと笑う。
その仕草はいつもと違って少し大人っぽく見えて…、
「…だ、だめ…です」
ちょっとだけ……ドキッとしてしまいました。
「カップ麺できたかな?!」
「うんっもう3分経ったよ」
「わー!いただきます!」
「ふふっ…いただきます」
「「んー……おいひい」」
おいしいものは、人を幸せにする。
わうくんの嬉しそうな笑顔を見てそう思った、もこなのでした。