今日は月に一度にやってくる、女の子の日。

症状は人それぞれ。


わたしは…


「ねぇもこちゃん、さっきの先生の授業わかりにくくなかったー?」

「あれ?…おーい、もこちゃん?」


「…………」


魂が抜けたように無口になります。

かと思えば、


「うへへ…あはは」


突然笑いだしたりします。


「先生ー!も、もこちゃんが壊れたっ」



― 放課後 ―


「もこちゃん帰ろう〜〜」


放課後いつものように、わうくんが教室まで迎えに来てくれた。


なんとか頷いて立ち上がり、わうくんと手を繋いで歩く。


「……わうくん、ごめんね」


なんにも楽しい話題を話すことができずに、一緒にいるのが申し訳なくなった。

立ち止まった足元に、ポタと涙が落ちてゆく。 


そんな私と目線を合わせるようにしゃがむと、指で涙を拭ってくれた。



「どんなもこちゃんも、だぁいすき」


「もこちゃんが辛いときは、俺にたくさん甘えてほしいな」



わうくんは、カバンからなにかを取り出して、私の手に握らせた。


…あたたかいお茶


「いたいの、いたいの、とんでけー」


お腹をなでてくれる、わうくんの手があたたかくて、手の中にあるお茶もあたたかくて、


「……ふっ…へへっ」


心がポカポカする。


「もこちゃんがいつも、してくれるやつ」


にひっと笑って、私の頭をわしゃわしゃとなでてくれた。


「よしよし、よしよし」



「わうくん…ありが、とうっ…」



私も。

どんなわうくんも、だぁいすき。


そう心の中で呟く、もこなのでした。