栗『はっ…!?』
そんなやり取りからこの話は始まる。
栗原慶次は34歳。今年の九月で35歳になる。彼は掃除屋だ。っていっても社長と二人きりで細々とその日暮らしの仕事で働いている。しかし掃除屋の仕事はハードで昼→夜→昼→夜→昼→夜→昼…なんてのは当たり前で、ひどい時には三日で一時間や二時間しか寝れない時もある。二人しかいない会社なんで交代して休むなんて事もできない。んでもって社長は幼なじみで、小学校の一年生からの腐れ縁である。社長…出口太郎という寂しい名前の男である。
栗『はっ…!?』
出『はっ…!?じゃねぇよ』
栗『いやいや、別にいいけど…。』
出『じゃあ明後日夜勤ね。集合は夜の10時で』
栗『はいはい、わかりやんした。別に夜勤なんてなんでもないけどもう一度そのFAX見せろ。』