三人で観光する。

その流れになったとき少し不安を覚えた。
いや少しどころじゃないかもしれない。

それぐらい俺はシキを警戒していた。

資産家の家庭に生まれ、資産家の息子として教育を受けた俺たち。

シキは物分かりがよく、上手く立ち回れる奴だった。

俺も容量が良かったから何も不満はなかった。
強いて言えば、資産家の息子としての教育が嫌だった。

俺は俺のやりたいことをやる。

そう思いアラブへ観光に行った。
観光の最中に石油に関して興味をもった。
親に反抗するように俺はアラブへ移住し、石油を掘ることに全力を注いだ。

その頃からだ。

シキの性癖が歪み始めたのは…。

手始めに人の彼女を狙うようになった。
上手く立ち回れるシキにとって、それは簡単な事だったのだろう。

いつの間にか人妻に手を出すようになった。

完全にシキの性癖が形成されてしまったのだ。

だからシキとはなるべく合わせたくなかった。
なのに、この旅行で会う事になるとは…。