「ちょっと、起きなさいよ!…はぁ。流石にお店閉めたいんだけど?」


マスターの声が心地よく入る。

でも嫌。

今は寝ていたい。
すっごく気分がいいの。


「私アンタの家知らないわよ?ここに泊めるわけにもいかないし…。はぁ…。ちょっと指借りるわよ?」


マスターが私の鞄をあさってスマホを取り出す。
そして私の指を使って開けるつもりなんだろう。

私は一人暮らしだから誰に連絡しても無駄ですよーっだ。

眠くて体は動かないのに、頭はさえるなー?

むふふ。

楽しい~。


「あら、この人ね。アキさんって。ちょっと電話借りるわよ」


マスターが何か言っていたけど、

私の意識はここで途切れてしまった。