ちょっと羨ましく感じる。
私も早くアキさんに会いたい。

そう思えるほど横にいる二人の微笑ましい姿にこっちまで嬉しくなる。


「ラブラブだねー。あんたら」


たまらず千景先輩が口を開いた。
今の今までビール飲みながら枝豆を食べていた人とは思えないほど遠い目をしながら二人を見ている。


「そういう千景先輩だって恋の一つや二つしてるでしょ!?」
「確かに千景先輩のそういう話って聞いたことないです」


茜ちゃんがいった言葉に共感する。
千景先輩から恋愛の話は聞かない。


「恋ねぇー…。そんな余裕ないよ」
「嘘だ!仕事もこなしてほとんど毎日定時で帰ってるじゃないですか!!どこに余裕がないと!?」
「年の離れた妹を育ててんの。だから無理」
「え、そうなんっすか?」


千景先輩に妹さんがいるなんて知らなかった。
確かに育児をしていたら恋愛する暇なんてなさそう。


「そー。今日は友達の家にお泊りだから飲み会に参加できたってわけ。よくできた妹だよ」


妹の事を話す千景先輩は、いつもの気だるげな掴みどころのない雰囲気とは違く優しい母のような雰囲気を感じる。
きっと妹さんの事がすごく大切なんだろうなぁ。