何かを企んでいそうな顔をしているアキさんを後目に私はお風呂に向かおうとする。
するとグッと手を引っ張られアキさんの腕の中に入る。


「び、っくりした…!」
「悪いな」


全く悪びれてなさそうな態度で謝ってくる。

その姿は様になるけど少しだけムカツク。
少し拗ねながら「なに?」と返した私は悪くない。


「拗ねるなって。ただ提案をしたいだけだ」


そういいながらご機嫌取りなのか頭をなでる。
私の事を犬か何かだと思ってる?


「提案って?」

「パスポートを作成するのに早くても二週間はかかるだろ?」
「そうなの?」
「大体な」


そんなにかかるんだ…。
しかも早くてってことは遅いとどれくらいになるんだろう?
インドアすぎてそんな知識ないな。


「だからその間弥生のご両親に挨拶がてら旅行でもどうかと思ってな?ほら」

「え、このパンプレットって…!!」