「なら少人数で結婚式をあげよう」
「本当!?」
「あぁ」


アキさんの提案に私の機嫌が急上昇する。


「ただし披露宴は石油王の職業がてら盛大にやらせてもらうからな?」


最大限に譲歩してくれるアキさん。

こんなに優しくしてくれるんだから私も頑張らないと!


「失敗しないようにいっぱい練習に付き合ってね?」
「勿論だ」
「なら、いいよ」
「それはよかった」


無言でアキさんに近づき抱き着く。
アキさんは優しく腕を回してくれた。

そのままの甘い雰囲気に流されるまま私とアキさんは深い口付けを交わした。


「…ねぇ、そんなに嬉しかったの?豪華な披露宴」
「あぁ。嬉しいな」

「石油王ってそんなに披露宴とか大事なんだね」


そりゃ人脈とか大事だもんなぁ。


「まぁそれもある」
「他にもあるの?」
「あぁ。俺にとって大事な理由があるな」
「え、なになに?」


アキさんは意地悪な笑顔を私に向けながら心底楽しそうに口を開いた。


「俺の妻はこんなに美人なんだぞっていう自慢が出来るだろ?」


その言葉を理解した途端私の頬が赤くなったのは言うまでもない。