シキが帰ると弥生は俺の方を向きながら「大丈夫よ」と口を開いた。


「大丈夫って…、弥生、一体何があったんだ?」
「すごく急いでいたようだけど…、アキさんも一体何があったの?」
「…伊豆原が嘘の誘いをしてきたんだ」
「え?」
「シキの策略だろう。伊豆原に頼んで俺を呼んだらしい。仕事となれば俺が弥生の傍を離れると踏んでな」
「わ…、シキさん本気だったんだ」


弥生の声に一気に不安になる。

それは何かがあった証拠だろう!?
なのに大丈夫って、まさか…!


「もう。そんな怖い顔しないで。私はアキさんのことを一番に愛しているわ」


俺の頬を両手で触りながら弥生が言葉を紡ぐ。


「…本当か?」
「えぇ。本当よ。…いままであったこと全部話すわ」


そういってソファに案内される。