愛しの彼に溺愛~石油王の場合~

「仕事とはいえ弥生さんを一人にしたんだ。こんな異国の街でたった一人。可哀想な弥生さん」


私の頬を撫でながらいうシキさんに恐怖を感じる。

シキさんは一体何がしたいの?
どうしてこんなことをするの…?

━「…弥生、シキには気をつけろ」

アキさんの言葉を思い出す。


「まるで迷子のようだね。でも大丈夫。僕も一緒に迷子になってあげるよ。…だから兄さんより僕を選んで。僕の方がきっと君を幸せにできる」
「シキさ…「だから僕のことを愛してよ」…っえ…?」


そういうと徐々にシキさんの顔が近くなる。
このままではくっついてしまう…!
そんな距離感に焦ってしまう。

何とか、何とかしないと…!

そう思い何も考えず勢いよく脚でシキさんを蹴った。


「っ!」


怯んだ隙に逃げようとベッドをおり出口へと走る。