愛しの彼に溺愛~石油王の場合~

恐怖心から一歩ずつ後ろに下がっていたせいか背中には壁。
そして前にはシキさん。

所謂壁ドン状態。

でもちっとも嬉しくない。

怖い。
なんでこの人目が笑ってないの…?


「兄さんって凄いよね。仕事も完璧、婚約者もこんなに美人」


シキさんの手が私の髪を撫でる。
そして一束掬い取るとそこにちゅっと音たてながらキスをした。


「本当に妬けちゃうよ」


何か言わないと。
そう思い口を開く。


「ア、アキさんのこと大好きなんですね」

「ん?好きだよ。両親にも一番に愛されて、僕の目標となるいい兄だね」
「そ、そうよね。アキさんはとっても素敵な人よ」


私の言葉を聞くとシキさんは目を細めながら「っふふ」と笑う。


「でも、誰しも欠点はあるよね?…あの兄さんでも」
「え、っちょ…!」


そういうとシキさんは私の手を引っ張り、ベッドへ押し倒した。