一応独身時代の貯蓄はあるけど、結婚式の為に残しておきたいし。

…アキさんが全部払うとかいいそうだけど…。
結婚式ぐらいは私も折半したい。これは譲れない!

いくらぐらいあったら足りるのかな?

・・・ちょっと不安になってきた。


「弥生ー!」


遠くからアキさんが呼ぶ声がする。

私は「はーい!」とおいながら、声のする寝室へ向かう。


「どうしたの?」
「あぁ。アッチに行くと簡単に帰ってこれないからな。荷物を纏めているんだが…」


いいずらそうにこちらを見るアキさん。
キャリーケースに入れられた衣服たちを見て納得する。


「シャンプーとかトリートメントだよね。この間使いきっちゃったから、買いに行かないとないよ」
「そうなのか?じゃあ行く前に買いに行くか。それ意外は大丈夫そうか?」
「そうね。スキンケアとかはアッチにもあるんでしょう?」
「あぁ」
「ならこれぐらいで大丈夫だと思うわ。私も準備するから少し待っててくれる?」
「分かった」


寝室の奥にある扉を開く。

ここに引っ越してきたときは驚いたな。
このウォークインクローゼットの広さに…。