愛しの彼に溺愛～石油王の場合～

「ご、ごめんんさいぃいい！この馬鹿が本当に申し訳ありません！！」


アキさんと言い争いをしていた男性の彼女さんがこちらに思いっきり頭を下げて謝ってきた。
私もそれに続き頭を下げながら謝る。


「こちらこそ申し訳ありません！後できつくいっておくので！！」
「いえいえ！元をたどればこの馬鹿が失礼なことをいい始めたのが原因なので、本当に申し訳ありません！！」
「いえいえいえ！こちらこそスルーすればいいのに変に口をはさんでしまったばっかりに…！」


二人してペコペコしながら謝罪の言葉を発する。
周りの人にも二人で頭を下げながら、二人して疲れたかのように座り込む。


「私安藤舞(あんどうまい)っていいます。色々迷惑をかけてしまい申し訳ありません」
「こちらこそご迷惑をおかけし申し訳ありません。私は小林弥生と申します。隣にいるのが婚約者の神宮アキです。ほら、アキさんも謝って！」
「…お騒がせし申し訳ありません」
「いえいえ！神宮さんは悪くありませんよ！悪いのは全部ここにいる東條仁(とうじょうじん)なので！！」


そうやって安藤さんは思いっきり東條さんの背中を叩く。
い、痛そう…。

･･･ん？

東條仁ってどこかで聞いたことがあるような…？