―――――――――――――――
―――――――――――
―――――――



「卵が…ふ、ふわふわだ…！」



オムライスを見てキラキラと目を輝かせる私を、獅貴と鴻上さんが穏やかな目で見つめている。いつもなら恥ずかしいからと視線を逸らすところだが、如何せん目の前にあるのは『ご飯』だ。



何日ぶりのまともな食事だろうかと、瞼に涙さえ滲んでくる。



「…ぐー…すぴー…」



ちなみに陽葵は眠っている。鴻上さんが作ったハンバーグを秒で食べ切り、電池が切れたように意識を失った。獅貴曰く、陽葵は満腹になると直ぐに寝てしまうらしい。子供か。



「獅貴…ほんとにいいの、奢って貰っちゃって…」



申し訳なさを全面に出して問いかける。だが実際のところ言質を取りたいだけだ。後から請求書なんて渡されても払えないし。



ふっ…とイケメンオーラを全面に醸し出す獅貴は、当然だとばかりに足を組んで微笑んだ。




「もちろんだ、なんなら毎日食わせてやるから俺の家に来ればいい」



「獅貴くん…君確か、料理なんて出来ませんよね？」