獅貴に半ば引き摺られるように学校を出た私は、校舎脇に停めてあったバイクに乗せられた。ちなみにこのバイクは涼くんのものらしい。そういえば朝バイク乗ってなかったしなぁ…。



訳も分からず従順に大人しくしていると、辿り着いたのは少し危ない感じの街…ネオン街だった。ネオン街と言っても、今は昼なので危険な香りはしない。夜になると、不良やら族やらが集まるとかなんとか。



そういやここら一帯は『何とか』って族の支配下だったような…友達が言っていた。もうよく覚えてないけど。



獅貴について行くと、裏路地の暗い死角になった場所に、BARの看板が立てられていた。どうやら目的地は此処らしい。




「…ねぇ獅貴、closedになってるけどいいの?まだ此処開いてないよね…?」




「問題無い」




ホントかよ…。



思わず溜め息が零れた。



獅貴の問題無いは問題大ありだと思っている。だってこの人言葉足りないし…。どうせ説明するの面倒だから話端折ってるだけでしょ?それにしても簡潔に纏めすぎだろ。