大袈裟な…と思えないところがアイツの面倒なところだ。
「はぁ…今度は何やらかしたんですか…」
さっきから溜め息ばかり吐き続けて、マスクの中に熱気が篭ってしまった。僅かな不快感に苛まれながらも、琥太に現状を問い掛ける。
琥太はくわっと目を丸く見開いて、縋り付くように話し始めた。
「俺らは何もしてないんスよ!?なんかアイツ今日機嫌悪くて…倉庫に来た途端暴れ始めて…!!」
またか、と溜め息をつく。こっちもまたマスクに熱気が篭ってしまった。
「分かりました…壁やら天井やらに穴空けられたりしてないですよね?」
直すのが面倒だ。俺たち幹部は使っていないと言っても、一応下っ端の面倒は見ないといけない。それに仮にも溜まり場である倉庫がボロボロだったら体裁的にマズイ。
こんな適当でも、anarchyは族の中ではトップに立っているのだ。総長はどうでもいいみたいだけど。