拾った総長様がなんか溺愛してくる(泣)【完】



「あのー…このままじゃ話進まなそうだし、とりあえず自己紹介でもしない?」



無理やり笑顔を浮かべてそう言った涼くんに、内心とても頷いて感謝した。私も永遠にこの状況終わらないんじゃないかって不安に思ってたところだ、気付いてもらえてよかった。



「俺とシキは、まぁいいよね。マリも…よく分かんないけど知り合い、なのかな…?こっちの二人は初対面だよね」



咄嗟の行動とはいえ、丁寧に教えてくれる涼くんに内心驚く。ただのチャラ男かと思ったら、案外彼はこの中で一番のまとも枠なのかもしれない。




「そっちの金髪馬鹿が倉崎禅(くらさきぜん)ね、マスク付けてる女顔が未星理史(みほしりひと)




笑顔でサラッと言い放った涼くんに「ほうほう」と頷く私。怒り顔でふるふる震える金髪くん。笑顔で指の間接を鳴らす黒マスクくん。