「俺の紫苑に触るな」


獅貴の言葉に凍りつく室内。


あちゃー…みたいな感じで額に手を当てている涼くんと、目をぱちくりと瞬かせている陽葵、そして奥のお二人の視線が痛い。



「…また涼也さんの冗談だと思っていたんですが…なんですかこれ、総長も共犯ですか?」


「俺らだけ除け者じゃねぇ?とりあえずその女誰だよ、さっさと説明しやがれお前ら」



奥のお二人、敬語で話す黒マスクの男子と如何にも不良って感じの金髪の男子、その人たちが困惑気味に声を上げる。


「あ?紫苑は俺のだから近付くな、以上だ」


「以上だじゃねぇよ説明ド下手か。お話の定義知ってる?もしかしてコミュ障なの?」


涼くんがバシッと獅貴の頭を叩いて冷静に言葉を返す。

なんだか色んな疑問やらなんやらが渦巻いているが、ここは話の流れを戻す為に私から聞いてもいいだろうか。