辿り着いたそこは第2視聴覚室。


ここに獅貴と涼くんのお友達が…。


「紫苑ちゃん、ちょっと失礼な奴らだけど、愛嬌だと思って許してやってね?」


「はぁ…」


失礼な人達なのか、まぁ獅貴のおかげでそういうのは大体慣れたし理解も出来る。ちょっとくらいの無礼ならドンと来いだ。


「…紫苑、嫌だと思ったら言え。すぐに帰ろう」


心底面倒くさそうに言ってくる獅貴。

獅貴がこんな顔でここまで言うってことは、相当すごい人達なんだろうな…。



「大丈夫だよ、たぶん」



たぶん、と付け加えたのは自信がほんの少し無いからだ。獅貴と涼くんが事前にこれだけ言うんだから、不安にならない方がおかしい。


「…じゃ、行くよ」


私と獅貴のやり取りを静かに見守っていた涼くんが、教室の扉をゆっくりと開いた。