「獅貴っ!これは嫌だ!下ろして!!」


「危ないから大人しくしてろ。落ちたらどうする」


断固として下ろす気配の無い獅貴にため息を吐いて、落ちて怪我をするのも滑稽だからと大人しく動きを止めた。


満足そうに微笑んだ獅貴が教室を出る直前、私は申し訳なさそうに両手を合わせる涼くんを鋭く睨んだ。



「ひぇ…怒ってる…?」



当たり前だろ、この薄情者。