その言葉に苦笑した直後、ガラッと音を立てて教室後方の扉が開く。
クラス全体の視線(獅貴を除く)がそちらに向いたが、すぐにそれは逸らされた。
何故か体を恐怖に震わせて何事も無かったかのように会話を続け始めたクラスメイト達に首を傾げながらも、こちらに向かって歩いてくる彼に微笑んだ。
「おはよう涼くん。遅かったけど、何かあったの?」
昨日と変わらない爽やかな笑顔に問いかける。
私が話しかけると、涼くんは嬉しそうに笑って口を開いた。
「おはよー紫苑ちゃん!いやぁちょっと寝坊しちゃってねぇ?入学早々参ったよー」
それは大変だったね…と眉を下げると、涼くんの言葉に何を思ったのか、ピクリと肩を揺らした獅貴が意味深な目で彼を見据えた。
「…あーっと、そうだ!!昨日喋った俺らのトモダチ!今学校来てるから、会いに行かない?」
獅貴の目を気まずそうに逸らして、涼くんは慌てたように笑う。
思い出したように私に聞いてきた。
「うん!会いたい!!」
キラキラと瞳を輝かせて答える。
ここまで来たら問題児全員を見てみたくなったのだ。

